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PLC

Panasonic の PLC モデムの BL-PA100KT が発売になった,というので買ってみた.

で,部屋の端のコンセントと別のの部屋の反対側の端のコンセントに接続し,netperf でスループットを測ってみる. すると,

$ ./netperf -H 192.168.1.11 -t UDP_STREAM -- -m 1450
UDP UNIDIRECTIONAL SEND TEST to 192.168.1.11
Socket  Message  Elapsed      Messages                
Size    Size     Time         Okay Errors   Throughput
bytes   bytes    secs            #      #   10^6bits/sec

106496    1450   10.00       70418      0      81.67
107520           10.00        8180              9.49
$ ./netperf -H 192.168.1.20 -t UDP_STREAM -- -m 1450
UDP UNIDIRECTIONAL SEND TEST to 192.168.1.20
Socket  Message  Elapsed      Messages                
Size    Size     Time         Okay Errors   Throughput
bytes   bytes    secs            #      #   10^6bits/sec

107520    1450   10.00       82494      0      95.66
106496           10.00        1865              2.16

こんな感じ. 今どきちょっと厳しいビットレートである. また,速度が非対称なのも気になるところ.

で,気になるノイズですが,短波ラジオ(AMモードのみ)でざっと聞いてみた限りでは

  • PLC を設置した屋内でも NIKKEI ラジオの周波数やアマチュアバンドはあまり問題は無いだろう.
    • が,よく聴くと多少は漏れているようで,フェージングで S/N が下がると出てくるかな,という感じ.
  • それ以外の周波数では,盛大にノイズが聞こえる
  • 屋外ではアパートの部屋から 40m ぐらいまではノイズが聞こえる
    • アパートは木造で,私の部屋は端.
  • アパートの外から玄関先の軒に入ると急激にノイズレベルか上がる
    • 電力計があるせいなのだろうか.

といった感じで,予想していたよりはまだマシ. 近傍界(near field)なあたりがかなり効いているような感じ.

が,木造アパートだと少なくとも両隣はアウトだろうな.きっと.

ラジオ日本と国際放送と電波行政

で,この PLC モデム,NIKKEI ラジオとアマチュアバンドの帯域にノッチを入れて使用しないようにしているそうである.

ところで,先ごろ「命令放送」で話題になったラジオ日本だが,使用している周波数は短波帯であり,ITU-T が定めた短波放送用の周波数帯を使用している. が,この PLC モデムは短波放送の周波数帯にはノッチを入れていない. 短波放送の周波数帯は短波の至るところに散在してるので,いちいちノッチを入れていたらマトモな通信速度が出ないという事情はあるのだろう.

で,このラジオ日本,BCL の経験のある人なら知ってると思うが,日本国内で受信した受信報告書を書いてもベリカードはもらえない. つまり

日本国内はラジオ日本のサービスエリアではない

のである. というわけで,ラジオ日本の周波数に PLC が妨害を与えたとしても,当局は動かない(というか,動けない)はずなのである. 逆に,海外からも日本に向けて国際放送を行っている放送局はたくさんある. が,こちらは放送局が海外にあるから,こちらも日本の当局が保護することはない.

まぁ,この PLC モデムが放送バンドにノッチをいれていないのは,そういうあたりを読んでのこともあるのだろう. が,それでいいのか,といういうと「それじゃまずいんじゃないの」と,私は思う.

「今じゃインターネットラジオのほうが音質もいいし,短波放送なんか無くなってもいいんじゃない?」という人も多いようである. 確かに短波放送には,「自国の文化や主張を他国民に宣伝する」という役割があり,そういうプロパガンダはインターネットラジオでいいだろう.

が,国際放送には「外国にいる自国民への非常時の通信手段」という役割もある. 例えば,仮に,中国で旅行中にクーデターが発生したとしよう. もちろん,クーデター派がインターネットも封鎖することも考えられる. 中国だったらいわゆる Great Wall を握ってしまえば済むから簡単である. こんな状況ではインターネットラジオなんか当てにできない.

逆に,日本でも似たような状況は起こりうるかもしれない. 某国の工作員が大手町で破壊工作を行えば日本のインターネット網はあっけなく崩壊してしまう. たまたま日本に旅行で来ていた中国人は途方に暮れるだろう.

が,こんな状況でも短波放送ならば有効に機能する. ラジオ日本にはそういう役割もあるのである.

話を PLC に戻そう. PLC で短波帯を潰してしまうということは,日本にいる外国人に自国の短波放送を受信できなくしていることになる. が,一方ではラジオ日本で在外邦人には短波放送のサービスを行っている. つまり,日本は(外国での)短波帯は潰して欲しくないわけである. それはあまりにも身勝手だと思う. 自分がやってもらいたくないことは,やってはいけないんじゃないかな.

しかし,現状では国が規制していない以上,そこらは企業の「良心」に委ねられてるといっていいわけである. 見ようによっては PLC をとりまく状況は,そこらを見極めるいい機会なのかもしれない.


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Last-modified: 2006-12-09 (土) 18:15:38 (4020d)