サマータイム †サマータイム法案、今秋成立めざす(asahi.com) 首相、サマータイムに前向き 「やってない日本が異例」(asahi.com) 何かまたもやサマータイム実施が浮上してきたようだ. が,私としては「勘弁してほしい」と思う. 欧米でサマータイムが導入された当初は,確かに「真夜中に時計を1時間ずらす」だけでよかったのだろう. が,現在は多種多様なコンピュータや情報機器で溢れかえっている. これらの中にはホントに「時計を1時間ずらす」だけで対応できるものもあるだろう. が,それだけでは済まないものも多い. 例えば Windows パソコン. タイムゾーン設定の画面を出すと,欧米の時間の場合,下の方に「自動的に夏時間の調整をする」なんて項目が出てくる. サマータイム実施の開始・終了は純粋に政治的なものであり,計算で求められるものではない. つまりコンピュータは「○月○日から●月●日まではサマータイム期間中である」という情報を持ってないといけないことになる. また,Excel なんかで日時計算を行う場合も影響が出る. 例えば「2008/07/24 12:00:00 JST から 2011/07/24 12:00:00 JST までの時間」を求めようとすると,ここでもサマータイムの実施情報が必要となる. また,このような計算は過去の日付に対しても行われるため,過去の実施情報も必要になる. Windows ばかりではなく,Linux などの UNIX 系のコンピュータにおいても,もちろん影響はある. 例えばファイルのタイムスタンプ. UNIX 系のコンピュータでは,ファイルのタイムスタンプは「1970/01/01 00:00:00 UTC からの通算秒数」という形式で記録されている. これを日本時間に直して表示するには UTC との時差がわからないと計算できないが(UTC にはサマータイムは無い),サマータイム期間中か否かで時差は変わってくる. というわけで,ここでもやはりサマータイムの実施期間の情報が必要になってくるのである. まぁ,Windows や UNIX は欧米でも広く使われているので,ここらは先達の通った道を素直になぞれば良い. サマータイム実施情報を更新すればいいだけのことである. が,日本独自のモノは問題になってくるだろう. 例えば,鉄道や飛行機の管制システムや銀行の預金管理なんかは怪しいだろう. 充分レビューや動作確認を行って,サマータイム実施に備える必要がある. つまり
ということである. そういえば 2000 年問題であるが,
という見かたもあるようである. が,やはり問題のあるプログラムはたくさん見つかっていて,対処はされてきたわけである. というわけで
という見かたが正しいのではないかと思う. しかし,冒頭の asahi.com のニュース,「やってない日本が異例」って,
ってことなのかしら. 単純に良いものならば素直にマネすればいいとは思うのだけど,これに関してはちょっとなぁ…と思うのである. 「夏は1時間早く働き始めて1時間早く仕事を切り上げるのが環境やライフスタイルに良い」というならば,時計のほうはそのままで始業・終業時間を繰り上げればいいと思うんだけどなぁ. 昔と違って現代ではフレックスタイム労働も一般化してきてるので,社会全体で足並み揃えて労働時間を決めなくてもそれほど支障はないわけで. |