Linux カーネルモジュールと GPL

近頃,グラフィックカードのドライバなどで,いわゆる「クローズドソース」のドライバが出回ってるが,それらの正当性について考えてみた.

カーネルモジュールとは

Linux カーネルが動作中に動的に読み込まれるモジュールで,読み込み時はカーネル本体と動的にリンクされる. GNU GPL そのままの解釈では,Linux カーネルに適用されている GPL ライセンスはカーネルモジュールにも適用されることになる.

Linus のメール

http://lkml.indiana.edu/hypermail/linux/kernel/0312.0/0670.html

linux-kernel メーリングリストでの Linus の書いたメール.

プロプライエタリライセンスのカーネルモジュールを提供しているメーカは,大抵はこのメールを論拠としている.

が,

  • これは議論における Linus の「意見」であって「声明」ではない
    • 声明ならば,Linux カーネルソース本体や kernel.org に掲載されているべきである
  • そもそも Linux カーネルの著作権は Linus が管理してるのか?
    • 開発のとりまとめは Linus が行っているのは明らかなのだが,著作権については?
    • 個々のソースファイルの著者が保持していると見るべきだろう

カーネルツリー中の著作権表示

linux/COPYING ファイルで Linux カーネル全体の著作権について述べられている.

内容は GNU GPL version 2 なのであるが,GPL の文言の前にこんな一節がある.

http://git.kernel.org/?p=linux/kernel/git/torvalds/linux-2.6.git;a=blob;f=COPYING;h=ca442d313d86dc67e0a2e5d584b465bd382cbf5c;hb=HEAD

NOTE! This copyright does *not* cover user programs that use kernel
services by normal system calls - this is merely considered normal use
of the kernel, and does *not* fall under the heading of "derived work".
Also note that the GPL below is copyrighted by the Free Software
Foundation, but the instance of code that it refers to (the Linux
kernel) is copyrighted by me and others who actually wrote it.

Also note that the only valid version of the GPL as far as the kernel
is concerned is _this_ particular version of the license (ie v2, not
v2.2 or v3.x or whatever), unless explicitly otherwise stated.

                       Linus Torvalds

要するに linux カーネルのライセンスの影響により,ユーザ空間で動作する hello,world プログラムなんかが GPL になることはないよ,というだけの話である. カーネルモジュールについての話ではない.

というわけで

オイラの結論としては,

カーネルモジュールにおいても,例外事項無しの GPL が適用される

と思う.


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2009-03-02 (月) 23:01:07 (4145d)