* RAID 故障計算の簡便法 [#o1a2d6a4] 「[[RAID の故障モデル>日記/2008-02-23/RAID の故障モデル]]」の日記を書いてから1ヶ月も間が開いてしまったが,気にせず再開してみる. ** 簡便法 [#eb23da08] RAID クラッシュ率の簡便な計算法を考えてみる. まずは RAID5 について考えてみよう. モデルと記号に前回と同様なので省略. V1 V2 V3 V4 ┌─┬─┬─┬─┐ │A│B│C│D│アクセス領域 r ├─┼─┼─┼─┤ │ │ │ │ │ │E│F│G│H│非アクセス領域 1 - r │ │ │ │ │ └─┴─┴─┴─┘ [[RAID の故障モデル>日記/2008-02-23/RAID の故障モデル]]では >「子ボリューム1の非アクセス領域に故障発生 → 子ボリューム1の非アクセス領域に故障発生 → 子ボリューム1のアクセス領域に故障発生」は復旧可能である というように,復旧可能な場合について細かく積算してきた. 確かに正確ではあるのだが,はっきりいってめんどくさい. というわけで,ここでは潔く > 任意の子ボリュームの非アクセス領域に1つエラーが発生した時点でクラッシュ という見かたで行ってみよう. すると,再構築に成功するのは「アクセス領域に故障が発生した場合」のみとなるので r となる. 実は詳細計算の方では「子ボリュームが3の RAID5」と「子ボリュームが4の RAID5」ではクラッシュ率は微妙に異なる. また,RAID5 と RAID1 のクラッシュ率も微妙に異なる. が,簡便法では「非アクセス領域に故障が発生した場合」はクラッシュと見るので,子ボリュームの数なんてパラメータは現れない. そのような差を見たいときは詳細計算するしかない. ** RAID6 / RAID1 の3重ミラー [#h498dac0] RAID6 や RAID1 の3重ミラーについても RAID5 の計算と同様,樹形図を書いてじっくりと場合分けすれば計算は可能である. が,やはり「アクセスしてみて初めて故障を発見する」という前提がある以上,非アクセス領域が多い場合は,RAID5 と同様の問題を抱えていることになる. ただ,「2ドライブの故障までは修復可能」なので多少はマシ,という程度である. これについても簡便法で考えると,RAID がクラッシュするのは > 最初の故障が非アクセス領域で,次の故障も非アクセス領域 の場合である. つまり,クラッシュ率は ( 1 - r )^2 となる. リビルド成功率はこの余事象であるから 1 - ( 1 - r )^2 = -r^2 + 2r となる. ** グラフ [#c3604aa6] これらをグラフにしてみる. #ref(about.png,center)