* octave で画像処理 - 名前に偽りあり [#m66b1cee] というわけで,[[前回>日記/2010-04-20/octave で画像処理 - ギブズの現象]]の話の続き. ** フーリエ級数展開とフーリエ変換 [#l6bdb95a] まずは,復習から. フーリエ級数展開とは - 繰り返し波形を - 三角関数の和で表す ものでしたね. で,フーリエ変換は,フーリエ級数の繰り返し周期→∞ の極限とも言えるもので - 孤立波形を - 連続スペクトルの積分で表す ものになります. #ref(fourier.png,center) ** 高速フーリエ「変換」とは [#q8b1736e] で,今回使っているのは 2 次元の高速フーリエ変換です. 高速フーリエ変換というからには,フーリエ変換の仲間なのでしょうか? 答えは「No」. 高速フーリエ変換はフーリエ変換の仲間ではなく,フーリエ級数展開の仲間です. もっとも,フーリエ級数展開とフーリエ変換は仲間なので,そういう意味では仲間かもしれません. が,「高速フーリエ変換はフーリエ級数展開とフーリエ変換のどちらに近いものか」と聞かれたら,「フーリエ級数展開」と答えざるを得ません. #ref(fft.png,center) FFT では(時間領域では)有限のサンプル数を扱います. このサンプル列を(強引に)1 周期としてフーリエ級数展開をした結果が周波数スペクトルになる,と解釈されます. なぜそうなってしまうのか,というと > 時間領域で離散化した結果,周波数領域では繰り返しスペクトルになる. 周波数領域でも離散化しているので時間領域でも繰り返し波形となる. という理屈はあるのですが,ま,てきとーに聞き流してください. ** 2 次元 FFT では [#j84a132c] 2 次元 FFT でも同様の話が成り立ちます. つまり,2 次元 FFT では「元画像が無限につながった画像」の 1 周期分を切り出して「空間周波数スペクトルの繰り返し」の 1 周期分を得ていたわけです. #ref(fft2.png,center) ここで注目するのは「繰り返し」のつなぎ目の部分. すっぱり切られた画像を強引に繰り返しとみなしているので,つなぎ目の部分で急峻な変化となってます. これが「ギブズの現象」の生じる原因だと考えられます.