CRT ディスプレイのフォーカス調整

注意

この文書の正当性および、運用による如何なる結果も筆者は保証・補償しません。 (具体的には、感電によってあの世へ行かれても筆者は何も補償しない、ということ。 してよ、と言われても困ります)

ことの起こり

引っ越した。PC の接続をした。電源を入れた。
「あれ?表示がぼけているぞ」
800×600 ドットの解像度の表示もおぼつかない。 フォーカスの調整がずれてしまったらしい。 あいにく箱の外からはフォーカスを調整することができない。

しばらくは 640×480 ドットの表示で使っていたが、これではやっぱり目によろしくない。 「15 インチだし、17 インチに買い替えようかな、でも金がないなぁ」

一念発起

「よし、買い替えよう」
そう決心。
「買い替えるなら、その前にフォーカス調整にチャレンジしてみよう。壊れてもともと」

調整箇所を探す

まず裏蓋を開ける。 CRT 装置の分解法の要領でアノードの高圧をディスチャージする。 特にスパークは出ない。 最近のディスプレイには保安回路(?)が入っているのかな。

で、調整箇所を探す。 まず、ブラウン管に付いている偏向ヨークのとなり、しっぽ(?)側にある調整用のリングに目が行く。 が、樹脂で固めてあって、動いた形跡も無いので触るのはよしておく。

ブラウン管のしっぽ(?)のコネクタに刺さっている基板に調整用のバリオームがあるので回してみる。 赤みが増減しただけである。 はずれ、である。

ぱっと見たところ他に調整箇所は無いようである。
「ほんとうにないのかな」
再びよーく見てみる。 RFC (?) のような、コアを回せる部品を発見。 このセクションからハイテンションケーブルが出て、アノードキャップにつながっている。 アノード電圧の発生回路である。 シールドをよく見ると「FOCUS」の文字が。
「これだ」

調整

「とりあえず動かしてみよう」
電源を接続し、PC に接続し、画面を表示させる。 高圧動作部分がむき出しなのでとっても危険である。 とっても気をつける。

ここでそろそろと「FOCUS」コイルのコアを回してみる。 このコイルは高圧セクションの中。 すごーく気をつける。 回すと確かにフォーカスが変化する。 「ぼけ」が最小になる点に合わせて調整は終了。

あとは裏蓋をはめて作業は終り。 「新しいディスプレイ」は買わずに済んでしまいました (^_^;;

追記

このページを見て,実際に修理に挑んで下さった方がおられたようです. こちらのベージのほうが写真入りで詳しいので,チャレンジされる勇者の方は,参考にされるとよいでしょう.

このベージの写真で説明しますと,こちらの写真で,ブラウン管の裏の赤丸のところが「アノードキャップ」というやつです. 私のディスプレイでは,このアノードキャップがつながっている(つまり,高圧を発生している)セクションに調整箇所がありました. この方の例でも同様の感じですね.

ちなみに,このときに修理していたディスプレイですが,やっぱり絶縁周りが怪しくなってきたので,ついに買い替えてしまいました. 6 年半ぐらい使ったことになるのかな.


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2002 年 8 月 21 日更新
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