* FET アナログスイッチ回路の入出力周波数特性 [#xa72c055]

FET を使ったアナログスイッチ回路を組んで,スイッチされる側の信号の周波数特性を見てみました.

** 回路 [#occ84a08]

#ref(IMG_20160427_155535.jpg,center,20%)

FET は [[2SK2880>https://www.idc-com.co.jp/search/search/Pdf/ja/4/2SK2880]] を使いました.
N チャネルの接合形 FET で,用途は「低周波増幅用」だそうです.

N チャネル FET を使ったアナログスイッチ回路の場合,モノの本ではゲート電圧は負電圧の電源を使うよう説明されていることが多いです.
が,そもそも電圧とは相対的なものなので,FET から見て各端子の電圧差のツジツマが合っていれば,単電源で動作させることができます.

というわけで,今回は SG の機能を使って入力信号に直流バイアス電圧をかけて,ツジツマを合わせました.
SG の設定は,以下のとおり.

:モード|スイープモード
:スイープ開始周波数|0 Hz
:スイープ終了周波数|990 kHz
:スイープ周期|9.9 秒
:信号波形|サイン波
:信号電圧|0.1 V
:DC オフセット|+3.0 V

アナログスイッチの入出力をオシロスコープで見ます.
オシロのスイープ周期を 1 sec/div に設定すれば,オシロ画面の横軸の 1 マスが 100 kHz に相当することになります.
まぁ,ここまでスイープ周期が遅いと,スイープではなくて波形が横にスクロールされて表示されてしまいますが.

** 周波数特性 [#le1c1900]

#ref(IMG_20160427_155629.jpg,center,20%)

↑
まずは,スイッチを開いて,信号を通過させた場合の波形です.
上の周波数で振幅が現象しているのは,SG の問題でしょう.

1 MHz あたりまで信号がきっちり通過していることがわかります.
まぁ,信号を「増幅」しているわけではないので,割と高い周波数まで通るのだと思います.

#ref(IMG_20160427_155802.jpg,center,20%)

↑
今度はスイッチを閉じて,信号を遮断した場合です.
下から上まで,入力信号が漏れ出すこと無く遮断されていますね.

** まとめ [#v9e66f1c]

「低周波増幅用」と銘打っている 2SK2880 でも,アナログスイッチとしては AM ラジオの周波数あたりまでは問題なく使えることがわかりました.
まぁ,ただ,データシートには周波数特性データは何も記載が無いので,「仕事として」使う場合には「at your own risk」で.


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