FET アナログスイッチ回路の入出力周波数特性

FET を使ったアナログスイッチ回路を組んで,スイッチされる側の信号の周波数特性を見てみました.

回路

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FET は 2SK2880 を使いました. N チャネルの接合形 FET で,用途は「低周波増幅用」だそうです.

N チャネル FET を使ったアナログスイッチ回路の場合,モノの本ではゲート電圧は負電圧の電源を使うよう説明されていることが多いです. が,そもそも電圧とは相対的なものなので,FET から見て各端子の電圧差のツジツマが合っていれば,単電源で動作させることができます.

というわけで,今回は SG の機能を使って入力信号に直流バイアス電圧をかけて,ツジツマを合わせました. SG の設定は,以下のとおり.

モード
スイープモード
スイープ開始周波数
0 Hz
スイープ終了周波数
990 kHz
スイープ周期
9.9 秒
信号波形
サイン波
信号電圧
0.1 V
DC オフセット
+3.0 V

アナログスイッチの入出力をオシロスコープで見ます. オシロのスイープ周期を 1 sec/div に設定すれば,オシロ画面の横軸の 1 マスが 100 kHz に相当することになります. まぁ,ここまでスイープ周期が遅いと,スイープではなくて波形が横にスクロールされて表示されてしまいますが.

周波数特性

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↑ まずは,スイッチを開いて,信号を通過させた場合の波形です. 上の周波数で振幅が現象しているのは,SG の問題でしょう.

1 MHz あたりまで信号がきっちり通過していることがわかります. まぁ,信号を「増幅」しているわけではないので,割と高い周波数まで通るのだと思います.

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↑ 今度はスイッチを閉じて,信号を遮断した場合です. 下から上まで,入力信号が漏れ出すこと無く遮断されていますね.

まとめ

「低周波増幅用」と銘打っている 2SK2880 でも,アナログスイッチとしては AM ラジオの周波数あたりまでは問題なく使えることがわかりました. まぁ,ただ,データシートには周波数特性データは何も記載が無いので,「仕事として」使う場合には「at your own risk」で.


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Last-modified: 2016-04-28 (木) 12:59:11 (2943d)