* ソース接地 FET 増幅回路 [#k122143d] せっかくなので増幅回路も実験してみます. #af_amazon(4789830470) ** 回路 [#scd6fbdb] //#ref(IMG_20160503_210954.jpg,center,20%) #ref(IMG_20160503_210954.jpg,center) #ref(IMG_20160503_210954.jpg,center,20%) //#ref(IMG_20160503_210954.jpg,center) ゼロバイアスのソース接地増幅回路です. ソース抵抗も取っ払って電流帰還も無しです. ソース抵抗もバイアス回路も無いということは,入力信号がそのままゲート 〜 ソース間電圧 (Vgs) になります. 入力信号が正に振れると,Vgs も正になってしまいますが,ゲート 〜 チャネル間の PN 接合が導通しない領域ならば問題はありません. つまり,入力信号が GND 電位を中心に 〜 0.6 V ぐらいの振幅の領域で使えることになります. :FET|[[2SK2880>https://www.idc-com.co.jp/search/search/Pdf/ja/4/2SK2880]] :RL|1 kΩ :入力信号の振幅|0.1 V この回路の増幅率 A は > A = gm・RL となります. gm は''相互コンダクタンス''で,真空管のそれと意味は同じです. 単位の次元は違いますが,バイポーラトランジスタでの hfe みたいなものです. FET のデータシートには yfs 「順伝達アドミタンス」という名前で書いてあることが多いようです. [[データシート>https://www.idc-com.co.jp/search/search/Pdf/ja/4/2SK2880]]を見ると,先頭には「|yfs|が大きい |yfs| = 3mS」とあります. この代表値を使って計算すると,この回路の電圧増幅率は >A = gm・RL = 3e-3 x 1e3 = 3 となります. ** 静特性 [#j35864db] SG の出力を切って,RL 両端の電圧 Vrl をディジタルテスタで測定したところ,2.89 V となりました. ドレイン電流は I = V/R = 2.89 mA ということになります. [[データシート>https://www.idc-com.co.jp/search/search/Pdf/ja/4/2SK2880]]の「順伝達アドミタンス−ドレイン電流特性」のグラフを見ると,このときの順伝達アドミタンスはだいたい 3 mS です. 順伝達アドミタンスが代表値と同じということは,増幅率も上の計算どおりにいくのかな? ** 周波数特性 [#s2db189d] #ref(IMG_20160504_184340.jpg,center,20%) 例によって,SG をスイープモードにして,周波数特性を見てみました. :開始周波数|0 Hz :終了周波数|999 kHz :スイープ時間|9.99 秒 でスイープしています. 「ちょっと高域で落ちてるかな?」という気もしますが,1 MHz 近辺でもボチボチ動作していることがわかります. まぁ,1 MHz あたりでは SG の波形もかなり怪しいので,この環境で取れるデータはここらが精一杯です. ** 増幅率 [#redbb32c] f = 40 kHz では :入力電圧|260 mVpp :出力電圧|688 mVpp でした. 電圧増幅率は > A = Vout / Vin = 688 / 260 = 2.65 となります. 設計値の 3 には足りないですが,まぁ,こんなものかな,と.